現在インドネシアから緊急一時母子帰国中の駐妻Aさん(海外滞在歴約3年半)に、緊急一時帰国中のいま思うことをインタビューさせていただきました。解決策や何かになるわけではないですが、色々な人の色々な現状を知ることでだれかが何か見えてくるものがあるかもしれないと思い、今回記事にさせていただきました。
我が家は会社からの帰国命令があったため帰国しました。帰国命令がなければ、ジャカルタでこのコロナを乗り切るつもりでした。もし一度帰ればそう簡単にジャカルタに戻ることはできないし、長期の日本滞在に耐えられる生活基盤が日本にないため、ジャカルタで家族で乗り切るのがいいという判断でしたが、会社からの命令のため一時帰国することになりました。夫は今もジャカルタです。
4月の上旬にありました。指示が出てから実際のフライトまでは1週間弱でした。会社からは「速やかに帰国を」と連絡があり、フライトの予約をすぐにしようと思いましたが最短のフライトで1週間ほどあとのものしか取れませんでした。
自粛生活において困っていることを差し支えない範囲で教えていただけますか?また、少しでも心穏やかに過ごすためのコツがあればお聞かせください。
私の場合は、娘と24時間ずっと一緒で一人の時間が持てないことが一番困っていることです。ジャカルタなら週末は夫に見てもらうこともできましたが、今はそれができないので自分の時間の確保が一番苦労している部分です。
私が心穏やかに過ごすためにしているのは、テレビや動画、パソコンゲームにあまり罪悪感をもたないことかなと思います。私もパソコンで作業したりやらなくてはいけないことがあるので、その時は動画やパソコンのゲームに頼っています。その方が娘も一人で楽しめるし、私も作業に集中できます。ジャカルタにいた普段よりも動画の視聴時間は増えましたが一時のことと思って罪悪感を持たずうまく付き合うようにしています。
24時間2人きりで仮住まいでの自粛、たしかに心を穏やかに健やかに保ち続けることが難しそうです。我が家も自粛生活で基本子ども2人と一緒に過ごしていますが、少しでも1人時間があれば、パワーが回復することってあります。こどもはめちゃめちゃかわいいですが、それとこれとは別のお話であって。
「罪悪感」、これは特に日本人には多い気がします。緊迫した状況だと、他人に対しても自分に対しても厳しい目になってしまいがちですが、こんなときこそ、自分の中で一番大切なこととそれ以外のことを意識して、自分への寛容さも忘れないことが大事かもしれませんね。
確かに、家族一緒にいることを大切にしてきた、だからこそ帯同してきた家族にとって、会社の指示でやむなく家族だけ帰国している今の状況は不安だし、一刻も早くまた家族で生活したい。今、会社がご家族の不安を取り除くためにできることはあると思いますか?
駐妻生活が完全に終わったのか、終わらせるのか、続けるのかまだ決まっていない状況ですが振り返ってみます。
よかった点は自分の可能性に挑戦できたこと。働いていたら挑戦できなかったことややろうと思っていなかったかもしれないことに挑戦して自分が何が好きで、何をしたくて、これからどうしていきたいのかを30代前半で考えられたのはこれからの人生にとてもプラスになったと思います。また家族で大変な中でも生活するという時間が持てたこともよかったと思います。
困った点は私は一度スライドを経験しているので最初の駐在国と2つ目の駐在国で2回生活の立ち上げをしたのが大変だったなと思い返します。2ヶ国目は1か国目と同じようにすればいいと思っていましたが国が違えば状況も違うし、改めて生活を立て直していくのはどこにいても大変だと実感しました。どう生活していいかもわからず、相談できる友人もいない最初の頃はやっぱり大変でした。
今後数年は経済的に厳しい状況が予想されるなか、コロナのような危機に備えて、経営者も従業員も各々がリスク分散を進めていくことになりそうですね。新規採用を一時ストップする会社も少なくないと思いますが、一方で、リスク分散のために既存事業だけではなく新規事業等を始める会社も今後増えてくる可能性も高いです。また、リモートワークが定着することで、業務委託契約でのプロジェクトワークの増加も加速化するといわれています。この機会に、子育て中や妊活中等様々なライフステージの女性にとって働き方の選択肢が広がることにもなるかもしれません。駐妻だけではなく、多くの人が働き方について再考することになりそうですね。