インタビュー&寄稿

インドネシアで奮闘する女性起業家を応援しよう #Stayhomeでもできること

 

コロナ感染拡大の影響で緊急帰国する駐在家族があとを絶たないね。いつ終わるかわからないこの状況に疲れてきた人も多いんじゃないかな。

 

 

本当に、現地に残る家族も緊急帰国する家族も、辛い状況だよね。当人たちも大変だけど、東南アジアの駐在家族は、お手伝いさんやドライバーさんを雇っている方も多いはず。突然帰国する場合には、どうしているんだろう。

 

 

突然失職する人もきっとたくさんいるよね。状況が落ち着いても、また1から雇用主を探すのも難しそう。駐在家族側も、もし状況が落ち着いてまたお手伝いさんをお願いすることになっても、同じ人が来てくれるとは限らないし、1からどうやって探すんだろう。

 

 

そういえば、インドネシアでは昨年、ママ起業家が家事労働者と雇用主のマッチングオンラインサービスをスタートさせて話題になったよ。実は今回の記事は、彼女のインタビューなんだけど、興味のある方は読んでみてね!

 

 

 

 

まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

 

 

Vi
Vi

フランスとベトナムのハーフのViです。4年前に家族でジャカルタに引っ越してきて、

今は家事労働者と雇用主をつなぐ倫理的なオンライン採用プラットフォームKasicareを運営しているわ。

 

 

お手伝いさんやシッターさんの就職・転職支援サイトですね。Kasicareの概要を教えてください。

 

 

Vi
Vi
Kasicareは、求職中の家事労働者の広大なネットワーク(2020年3月時点で登録者約2,000人)と雇用主をつなぎ、透明性のあるプロフェッショナルな顧客サービスを提供しています。

 

Kasicareサービスの流れ

求人フォームにどんな人材を探しているかを入力すると、その求人情報をKasicareが確認して求職者にシェアします。

②応募してきた求職者の中からあなたの希望に沿う候補者をKasicareが選定し、あなたに候補者プロフィールをお送りします。

③気に入った候補者がいる場合には、Kasicareメンバー登録(有料)をして候補者の連絡先を入手します。

面接を行い、問題なければ採用します。

 

Kasicareサービス料金

 

①月給4万ルピア(約3.2万円)以上で週1日休みの場合

メンバー登録料60万ルピア(約4,800円)で1か月利用可能

※上記はフルタイムの場合。パートタイムの場合は別途低料金あり

 

②フルタイムで月給4万ルピア未満もしくは週7日勤務の場合

メンバー登録料40万ルピア(約3,200円)で1か月利用可能

雇用が決定した場合には、追加のリクルート費用60万ルピア(約4,800円)

リクルート費用は2週間の試用期間中返金可能

 

 

インドネシアの家事労働者は、十分な教育を受けていない女性が多く、労働法に保護されていない現状があります。虐待や搾取にさらされています。

 

ローカルの代理店は、彼女たちに高い手数料(月収の30%等)を請求し、身分証明書を没収し、相談なしに雇用主に割り当てます。イスラム教の女性が多いので、宗教上犬を避ける人も多いけれども、犬を飼っている家族に割り当てられることもあります。

 

一方で、家事労働者を探している人々が適切なスタッフを見つけるのが難しいこともよくあります。代理店に頼むと、Rp1.5 -2.5万ルピア(約1.2-2万円)かかりますが、多くの場合、サービスは不十分で満足のいく結果にはなりません。

 

代理店とは異なり、Kasicareは労働者に手数料を請求したり、身分証明書を没収したりしませんし、彼女たちが自分で雇用主を選択できるシステムにしています。

 

こうすることで、より良いパフォーマンスが生まれ、辞職率も低下し、最終的には雇用主にも利益をもたらすことができると確信しています。

 

また、採用プラットフォームに加えて、家事労働者向けのオンラインコース(育児、料理などの専門的なスキル取得目的)の開発にも取り組んでいます。多くの雇用主は、彼女たちのスキルについて不平を言いますが、彼らが学ぶ場所はありません。一方で、教育こそ彼女たちに力を与える唯一の方法だと思うんです。

 

 

インドネシアの女性の経済的自立を助けるオンラインプラットフォーム、素晴らしいですね!

ジャカルタの日本人コミュニティの間では、求職中の家事労働者の情報をLINEグループでシェアされたり、マザーズ掲示板で情報がシェアされていますが、インドネシア人女性の自立を支援し、また、より幅広い選択肢から家事労働者を探すことができるので有用なサービスだと思います。

ところで、外国人であるViさんがインドネシアでどのようにして事業をはじめられたのですか?労働許可証を取得することも難しいと思うのですが…

 

Vi
Vi

私の夫はインドネシア人ハーフでインドネシアのローカル会社で働いています。

Kasicareは、夫側の親戚のインドネシア人を株主として現地法人設立しています。私は唯一の取締役で、労働許可証を申請できるんです。別の起業方法として、外資系企業として登録する方法がありましたが、費用がすごくかかりますよね。

 

 

なるほどですね。インドネシアでの営業開始にはどれくらいの費用がかかりましたか? また期間はどのくらいかかりましたか?

 

 

Vi
Vi
USD3,000ドル程度です。友人に弁護士がいて、ほぼ無料で手続きしてくれたので非常に幸運でした。公証人手数料等を払っただけです。

私の事業はアセットライト(資産をなるべく持たない戦略)なので、基本的にはデータが資産です。求職者の重要なネットワークを構築するのに数か月かかりました。

労働許可書取得や会社設立には、約2か月かかりました。

 

 

一緒に働くパートナーはいますか?

 

 

Vi
Vi
コンサルタント/アドバイザーとして私をサポートしてくれる人がいます。私と同じように、家事労働者が自分自身を守る力を持つ社会を作ることに強い関心を持っている人で、香港で学び、家事労働者と雇用主を倫理的にマッチングすることについての論文を書いたことがあります。

 

 

もともとのご友人ですか?

 

 

Vi
Vi
いいえ。事業を始める前に、家事労働者の約50人の母親/雇用主にインタビューを行い、課題を洗い出したうえで、Kasicareがどのような解決策を提示できるかを確認したのですが、インタビューした母親の一人が彼女を紹介してくれました。

 

 

事前調査もしっかりと行われたんですね!

 

 

Vi
Vi
インドネシアの人々は本当にフレンドリーでオープンです。 事業を始めた当初は、できるだけ多くの人々に会うようにしました。そうすると、投資してくれる人や助けてくれる人に出会いました。私が特別社交的だとかではなく、ここの人々は本当に自分次第でアプローチしていけます。

 

 

なるべくたくさんの人に実際に会うことで道を拓いてこられたんですね!起業を決意したとき、ご主人や子供たちはどのような反応をしましたか?

 

 

Vi
Vi

夫は非常に協力的でしたし、子供たちにとっても私が家の外で活動しているのが普通なので大きな変化ではありませんでした。インドネシアに来るまではフルタイムで働いていましたし、引っ越した後も個人事業やボランティアをしましたから。

主に自宅で仕事をしているので(在宅勤務の従業員も多いです)、今も家族と多くの時間を過ごすことができています。

 

 

そうなんですね!リモートワークで自宅にいながら仕事ができると便利ですよね。起業してよかったこと、困難だと感じることを教えてください。

 

 

Vi
Vi

よかったことは、大きな社会問題に取り組み、解決策の1つになること、困難に感じることは、やはり1人で事業をはじめると時に孤独を感じることですね。

起業を考えている方には、事業をどのようにしてはじめるかを教えてくれるthe Lean startupを読むことをオススメします。

 

 

オススメ本のご紹介もありがとうございます。最後に、メッセージをお願いします!

 

 

Vi
Vi

インドネシア在住の日本人の方に市場アンケートにご協力いただけると、うれしいです。また、Kasicareでは、インドネシア人家事労働者の育成や日本語翻訳をサポートしてくれるボランティアスタッフを募集しています。興味のある方は、お気軽にご連絡くださいね!

 

 

インドネシアの女性を支援する会社でのボランティアは、現地の人々と交流する良い機会にもなりますね。本日はありがとうございました!

 

Kasicareでのアンケートにご協力いただける方はこちらから

(※2020/4/11現在Kasicareにてアンケート更新中のため、メッセージ本文にアンケート協力可能と記載いただけましたら、更新後アンケートをお送りします)

 

Kasicareでのボランティアに興味がある方はこちらから

ボランティア内容

・ウェブサイト、登録フォーム等の日本語翻訳

・日系コミュニティでの市場調査

・プロモーション

・家事労働者のスキル向上のためのeラーニングコンテンツ作成

(家事育児介護全般、日本食の作り方、日本人家族で働くコツ等)

・家事労働者のスキル向上のためのワークショップ講師、企画、サポート

・その他なんでもご提案ください!

 

いつ終わるともしれないこの状況、

Stayhomeでもできる助け合いからはじめませんか?

コロナの影響で、今後駐在帯同のかたち自体が大きく変わる可能性があります。

変化に応じたサービス提供を一緒に考えてみたい方、興味がある方、お気軽にお問合せください

 

 

 

POSTED COMMENT

  1. チキン投資家の姫ちゃん より:

    出資という形での支援も可能ですか?

    • Coco より:

      コメントありがとうございます!
      残念ながら外資を受け入れておらず、出資によるご支援は受けることができません。

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